百年なんてちょろいものよとあおぞらに呑まれながらに大銀杏立つ
先日、宮崎市に帰った折に、生目(いきめ)神社に参拝した。あらためて凄い名前だと思う。近くには生目小学校などもある。壇ノ浦の合戦ののち、日向の国に落ち延びてきた藤原景清が、源氏の世なんぞ見たくないと、目をくりぬいた。その目を祀ったのがこの神社だという伝説を聞いたことがある(諸説あります)。ここの境内には、四百年を超えるというイチョウの木が立っている。スマホの縦型の画面にも、木の全身は収まらないのだった。
作者/吉川宏志(よしかわひろし)

1969年宮崎県東郷町生まれ。京都市在住。「塔短歌会」主宰。第1歌集『青蝉』で第40回現代歌人協会賞を受賞。今年、第9歌集『雪の偶然』で第58回迢空賞受賞。最新歌集『叡電のほとり』を今夏刊行。
コメント