N極がまだしばらくは北を指す金木犀の同じ揺れ幅
N極とS極の磁極が入れ替わる「ポールシフト」が、これまでも起こっていたそうだ。そして、そのうちまた起こるという。私は、磁極の逆転を実感としてあまり理解できていない。しかしコロナ禍を経験して、社会や価値観の変化がたやすく起こることは体感している。また気づかないうちに何か大きなものが変わっていくのかもしれない。目の前の金木犀は、去年と同じように揺れて香っているけれど。
作者/乃上あつこ(のがみあつこ)
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1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。
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