No.300/2024年10月26日【耳】 耳談合したき人ある秋のよる重吉さんもその中の一人

伊藤一彦

しずかな秋の夜、耳もとに口を近づけて誰かにささやきたくなる。或いはささやいてほしくなる。今日は29歳で世を去った優しき詩人の八木重吉の命日である。重吉らしく、茶の花忌という。重吉は少年時代から色白の静かな少年で、皆からかわいがられたという。

作者/伊藤一彦(いとうかずひこ)

1943年、宮崎市生まれ。「心の花」会員。「現代短歌 南の会」代表。若山牧水記念文学館長。読売文学賞、寺山修司短歌賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞など受賞多数。

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