耳の奥の泉できみは戯れる 触れえぬままに愛が毛羽立つ
先日、吉川鮎太監督の映画『SOUND of LOVE』を観た。反出生主義の観点からも興味深い。音のフェティシズムを体感できる仕上がりになっている。ASMRは視覚や聴覚への刺激によって「脳がとろけるように気持ち良くなる現象」のことで、癒しやリラックス効果がある。水流音、包丁で切る音、咀嚼音、靴音などさまざまな種類がある。鑑賞後は聴覚が研ぎ澄まされて、日常の音がよりクリアに迫ってくるようになった。今夜は京都で舞台挨拶が行われる。女優の染谷有香さんを生で見られる人が羨ましい。
作者/乃上あつこ(のがみあつこ)

1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。
コメント