No.291/2024年10月17日【回転】 白か黒か唾とばしつつあらそふは回転焼のあんこの話

伊藤一彦

乃上さんの「今川焼」の文章、おいしくておもしろかった。私はずっと昔だが今川焼と聞いてどんな食べ物だろかと思ったことがある。何のことない。回転焼のことだった。宮崎は回転焼と言っていた。買うのは宮崎市の若草通りの「蜂楽饅頭」。時には行列ができる。並んでいる人がヒマにまかせて白餡がいいか黒餡がおいしいか議論している。あるとき、福岡の友人が蜂楽饅頭が美味しいというのを聞いて、この人は宮崎まで買いに来たのかと思ったら、そうではなく蜂楽饅頭は九州にいくつも店を持つチエーン店だった。

作者/伊藤一彦(いとうかずひこ)

1943年、宮崎市生まれ。「心の花」会員。「現代短歌 南の会」代表。若山牧水記念文学館長。読売文学賞、寺山修司短歌賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞など受賞多数。

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