甘太郎食みつつ歩む参道で今川、大判、回転の名を
あの丸くてあんこが入っている温かい和菓子を、何と呼んでいますか。私は普段は「今川焼」「大判焼」と呼んでいます。千葉県の成田山に参拝の際は、鰻と甘太郎を食べるのが定番です。成田では「甘太郎」と呼んでいて、千葉北西部から茨城はこう呼ぶそうです。調べてみると、西日本では「回転焼」と呼ぶ地域が多く、その他にも各地「太鼓焼」「太閤焼」「大幸焼」「大砲焼」など数えきれないほどの呼び名があるようです。名前をあまた持ち、それぞれに愛されている甘太郎さんです。
作者/乃上あつこ(のがみあつこ)
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1976年、横浜市生まれ。東京女子大学文理学部卒。中国留学を経て現在は銀座の美容施設に勤務。2014年から短歌を始め、第三十一回玲瓏賞受賞。現在は玲瓏、現代短歌南の会「梁」、牧水研究会に所属。
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