精霊蜻蛉あまた浮かせて秋風は弔いながらふいてゆく風
お盆の頃に増えてくることから、ウスバキトンボのことを精霊(しょろ)とんぼと呼ぶらしい。精霊なのでとって殺してはダメだと習った、と父が言っていた。今こんなにも群れて飛んでいるウスバキトンボだが、越冬できないため寒くなるとみんな死んでしまう。秋風が弔わなければいけないものは数多い。
作者/久永草太(ひさながそうた)
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1998年、宮崎市生まれ。宮崎西高文芸部で短歌を始める。宮崎大学在学中は宮崎大学短歌会で活動、第三十四回歌壇賞を受賞する。現在は牧水・短歌甲子園OBOG会「みなと」、「現代短歌 南の会」、「心の花」所属。獣医師。
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