No.279/2024年10月5日【泣く】 悲しみは泣かず喜びに泣く友と行かば根国も明るからむよ

伊藤一彦

あつこさんの歌、心理について興味深い。心理学で言うシンクロニシティだ。このごろ私はまたセネカの言葉を読んでいる。今日は人間関係について。「すべての人を信じるのも、誰も信じないのも、共に過ちです。どちらも為すべきではない。だが、どちらかと言えば、前者を立派な誤ち、後者を危険のない誤ち、と僕は呼びたい」「友人には君の心配事でも考えでも何でも打ち明けるがいい。君が友人を真に信頼しうるものと思うなら、君は彼をそういう人間にするだろう」(中野孝次訳)

作者/伊藤一彦(いとうかずひこ)

1943年、宮崎市生まれ。「心の花」会員。「現代短歌 南の会」代表。若山牧水記念文学館長。読売文学賞、寺山修司短歌賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞など受賞多数。

コメント

タイトルとURLをコピーしました