伊藤一彦

遠く飛ぶ予定のカモメ傷ついてなみだぐみをり三階の窓に 昨日と一昨日は、大学入学共通テストだった...

若きらの心に津波おこしたり堺雅人といふ激震は この前の日曜日に、堺雅人さんとひさしぶりに公開対...

ふるならばふれよと思ひ迫りたる若さかなしもさらさらの雪 久永さんの歌の歌い出し「ふるならばふれ...

年取るをいたづらのごとたのしめる老いのお酒よ金粉うかべ 今日は「心の花」東京歌会の新年歌会・懇...

酒どころ摂津の国に飲みつづけ虚仮笑ひせしさすがこの人 若山牧水は早稲田の四年生のときに関西地方...

少年われ作りて揚がらざりし凧　死んでゐるのに目をむいてゐた 今の正月は凧上げをしている子どもた...

わらはべの瞳になりてみづからのたましひを撞つき天に憧る 漢字には、いうまでもなく、偏と旁がある...

としの段きだこころの段にうたの段　段あるはよし除夜の酒酌む 今年も今日でおわりである。この一年...

指一本ふるることなく終はりたる初恋あはれと思はざりけり 幾人かが集まって、初恋のことが話題にな...

みづみづしき天の体のむねはどこほとはどこぞとあふげるタレス タレスと言えば、西洋哲学の祖であり...